選挙公報を見るときのポイント

10/31 管理人は衆議院議員選挙に行くとき、子ども(14歳)に「お母さんがどこに投票するか当ててみて」と言って選挙公報を渡しました。帰宅後子どもに話したことをメモしておきます。


そもそもの話として国会は国民代表機関。1億人が集まって決めるのは現実的でないから、自分と考えが近いとか、この人に任せたいと思う人や政党(似た政治的主張をもつ人の集まり)に投票して多数決で決める。

国会には衆議院と参議院があり、衆議院のほうが人数が多く、議員になれる年齢も若い。つまり、国民の意見が反映されやすい。参議院は、国民が勢いで間違えることもあるから、それを修正する「良識の府」。

今日は衆議院議員の選挙だったけど、より正確に国民の意見が反映されるように、人に投票する仕組みと政党に投票する仕組みを組み合わせている。


選挙公報にはその人や政党の政治的主張がまとめられている。

見るときのポイントは、国民の自由、特に大金持ちになる自由をどのくらい大切にするかどうか。つまり、みんなが納めた税金でみんなにとって必要なものを作ったり、貧しい人の生活を助けたりするんだけど、貧しい人含めてみんなから少しずつ税金を集めて、たくさんお金を稼いだ人が大金持ちになりやすい仕組みを作るか、それとも、たくさんお金を稼いだ人にはたくさん納税させて、貧しい人に多めに配るか。前者が自由主義(一応、自由民主党など)、後者は社会主義寄り(立憲民主党など)。


(日本共産党について聞かれたので)政治体制には3つあって、自由主義・資本主義、社会主義、共産主義。

自由主義は国民が土地や工場、会社を持って自由に金儲けをする。儲けは会社を経営している社長がたくさん受け取って、社員は残りを分け合う。

社会主義では国が土地などを持って、国民に「この工場でこれをこのくらい作って」と言う。儲けはみんなで平等に分ける。

そうすると頑張っても分け前は増えないからサボる人やズルをする人が出てくる。それでソ連は崩壊した。

共産主義は社会主義より進んで、あらゆるものをみんなで平等に分け合う。極端なことを言えば、子どもも家庭で育てずみんなで育てる。

共産主義の国家はない。中国共産党も日本共産党も名前は共産党だけど、一応、社会主義だと考えておけばいい。


昨日までは自由主義寄りの政党が議員数が多いので「与党」となって、内閣総理大臣を出して、総理が大臣を決めてきた。

総理は政府のリーダー。

政府は国会が決めた法律を実行するところ(行政府)。

法律は国民の自由を守るものだけど他方で制限もするから、誰の自由をどのくらい制限するか、バランスを見て議員は賛成するか反対するかを決める。

そうやって決まった法律を実行するのが政府、つまり内閣とその下の各省庁。各省庁のリーダーが大臣で、大臣たちのリーダーが総理。


(国会のリーダーは誰かと聞かれたので)衆議院と参議院の議長だけど、意味合いが違う。

各省庁は国会が決めたことを実行するところだから、総理の言うことを聞かないと困る。一方、国会議員は基本的にそれぞれの考えで法律などに賛成・反対する。そのときに議長の言うことを聞かなくていいし、議長はむしろ賛成・反対といった意見を言わない。ただ、賛成・反対が同数で多数決で決められないときは議長が決める。それ以外は意見を言わずに、学級委員長みたいに司会に徹して、うるさい人に注意したりするだけ。

(裁判所のリーダーは誰かと聞かれたので)最高裁判所の長官だけど、裁判官は自分の考えで判決を書く。最高裁長官の考えに従わなければいけないわけではない。


今日の選挙で与党の議員数が増えたら与党の考え方が支持されたということ。そうやって選挙で国民の考えを確認して、次の政策を決めていく。

選挙は議員の任期が満了したときにやるのが基本。参議院より衆議院の任期が短いのは、より国民の意見に敏感な議院であるため。

さらに衆議院は、任期がまだ残っていても「解散」して選挙になることもある。解散は内閣が国民の考えを知りたいときにする。

衆議院がこの内閣ダメだと思って(不信任決議)、その結果解散に至ることもあるけど、衆議院自身が解散をすることはできない。それを許したら、多数派の議員が少数派の議員を辞めさせることになるから。少数派であっても議員は国民の代表だからね。

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