こんにちは。
オンライン読書会 シーズン5『三国志演義』第2回(2023年9月25日@Google Meet)の報告をします。
メンターは、片倉健博 日本大学文理学部 中国語中国文化学科 助教です。
まず、前回終了後に寄せられた、
「曹操が董卓に剣を捧げてる挿絵に鶴がいるのは何故ですか?」
という質問について、メンターが資料を追加して、詳しく回答しました。
参加者一同、納得していました。
鶴鹿同春(かくろくどうしゅん。「鹿」が、前回質問のあった「禄」と同音)という図についても知りました。
さて、今回読むのは、井波律子訳『三国志演義』(講談社学術文庫、2014年)の第1巻666ページ後5行~677ページ11行目。
参加者の中の希望者が交代で音読していきました。
董卓討伐を機に群雄の1人に躍り出た曹操は、ライバルを次々と倒し、着々と勢力を拡大していきます。
そんな中、当初は曹操の支援者的立場であった袁紹との対立に至り、曹操と袁紹はついに雌雄を決する戦いに臨む…いわゆる官渡の戦いです。
物量で勝る袁紹軍に徐々に追い詰められていく曹操軍。
兵士は疲弊し、食糧が底をついた頃、曹操は袁紹軍のスパイをつかまえ、袁紹軍が食糧を陣営に運ぼうとしていることを知ります。
曹操軍は襲撃して食糧を燃やし尽くしただけでなく、袁紹軍をやっつけます。
さて今度は、袁紹軍の参謀・許攸(きょゆう)が曹操軍のスパイをつかまえ、曹操軍の食糧が底をついていることを知ります。
早速、許攸は袁紹に献策をしますが、容れられず、絶望した許攸は、かつて友人だった曹操に仕えようと、曹操の陣営を訪ねます。
曹操は許攸を大歓迎しますが、「食料は1年分ある」と嘘をつきます。
許攸もまた、なかなか手の内を見せません。
ここの知恵者同士の駆け引きについて、ある参加者は、
「頭がいい人たちの騙し合いを見るのが好きなので、ニコニコしていました^^」
と言っていました。
ついに2人は本音で語り合うようになり、許攸が示した計略を、曹操は採用し勝利します。
その計略とは、袁紹軍の食糧基地を攻撃し、食糧を燃やすというものでした。
「食糧を奪って自軍で使うのではなく、燃やしてしまったのは何故ですか?」
という質問が出ました。
メンターによると、食糧を持って帰れるならばそれがベストだけれども、遠い自軍まで持って帰るのは至難の業なので、次善の策として燃やすのだそうです。
「袁紹はなぜ配下の言うことを聞かないのでしょうか?」
という質問もありました。
たしかに、部下の進言を聞かない袁紹、部下の進言を聞く曹操の姿が印象深く描かれていました。
だから袁紹は、物量で勝っていたにもかかわらず戦いに負けたのだ…と納得できるのです。
「対照的な描かれ方が見事で綺麗で!」
という感想に、激しく同意します。
第1回でも、董卓が悪で曹操が善、という構図から、曹操が悪で陳宮が善、という構図への変化が鮮やかに描かれていました。
今回も、『三国志演義』の練り上げられた様式美に圧倒されました。
第3回(10月2日20:00-21:00)は、かの有名な赤壁の戦いに入ります。
曹操軍と、劉備・孫権の同盟軍との決戦です。
実写ドラマ『パリピ孔明』が話題の、軍師・諸葛亮(諸葛孔明)がいよいよ登場します。
申込みは、メール( info@thinkers.jp )、Facebook( @jp.thinkers )のメッセージ、X(旧Twitter)( @jp_thinkers )のDM、いずれでもOKです。
参加費は無料、事前に本を読んでおく必要はありませんので、お気軽にご参加ください。
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