オンライン読書会 シーズン4 第2回の報告と第3回の予告

こんにちは。

オンライン読書会 シーズン4 田中慎一・保田隆明著『コーポレートファイナンス 戦略と実践』(ダイヤモンド社刊)第2回(2023年8月28日@Google Meet)の報告をします。

メンターは、山根久弥さん。

23歳、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 総合デザイン工学専攻 前期博士課程から金融業界に就職することになっています。

第2回のテーマは「財務を見ることで会社の特徴がわかる」

第3章「会計をファイナンスに生かすためのキャラクター分析」の前半(54〜74ページ)を、参加者の中の希望者が交代で音読していきました。


今回は難しい用語がたくさん出てきましたから、まず主な用語のおさらいをしましょう。
総資産利益率ROA:Return On Assets) 利益(営業利益)/総資産

売上高利益率(営業利益率)  利益(営業利益)/売上高 収益性指標(いかに儲かっているか)

総資産回転率 売上高/総資産 生産性指標(いかに効率的に稼ぐか)


営業利益率と総資産回転率をかけるとROAになります。

どのくらい効率的に稼いでどのくらい儲けたか、の指標がROAということですね(たしかにすごい指標だ…)。

日本の上場企業の平均は、営業利益率6%、総資産回転率0.8回、ROA5%、これもついでにおぼえておきましょう。


また、外食業界の健全経営の黄金法則は、「売上高100%に対して、食材費30%、人件費30%、家賃などの経費30%、営業利益10%」です。

この場合、食材費の30%が原価率、残りの70%が粗利(あらり)と呼ばれます。

原価率が低い=粗利率が高い、という関係になります。

次に、人件費30%と家賃などの経費30%を足した60%が販管費率です。

販管費(販売管理費)は販売費及び一般管理費の略で、人件費や家賃などの経費がこれにあたります。
そして、売上高から原価と販管費を除いた部分が営業利益、ということになります。


ここまで見たところで、読書会を振り返っていきましょう。

山根さんの「会計について何か知っていますか?」という質問からはじまると、
簿記ですか?」
という参加者の声が出ました。

簿記とは、会社の日々の取引を帳「簿」「記」入することです。
その記録をもとに会社は毎年、決算書を作成します。

会計とは、決算書という形で、株主や取引先、銀行、ベンチャーキャピタル、一般の投資家といった人たちに対して、会社の財政状態や経営状況を報告することです。

会計と簿記、違いはありますが、とてもよく似ていますね。


決算書のうち特に重要とされるのが、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」で、財務3表と呼ばれます。山根さんから説明がありましたね。

今回のテーマ「財務を見ることで会社の特徴がわかる」は、この財務3表を見れば会社のキャラクターがわかってしまう、という意味です。
なぜでしょうか?

損益計算書は会社の「損」「益(儲け)がわかる書類です。

英語ではProfit & Loss Statementで、省略してP/Lと呼ばれます(「P/Lとはなんですか?」という質問も出ました)。

これを見ると、会社の売上高、原価、販管費、営業利益がわかります。

次に貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)を見ると、会社の総資産がわかるので、損益計算書の売上高を総資産で割れば、総資産回転率が計算できます。

加えて、キャッシュフロー計算書で、キャッシュ(現金・預金など)のフロー(流れ)を見て、資金繰りをチェックします。

損益計算書に売上として計上されていても、代金をまだ受け取っていないことはよくあります。そのため、儲かっているのに、現金がなくて倒産してしまう会社もあるのです。


最後に、「会社のROAや営業利益率などはネットなどで調べられますか?」という質問が出ました。

はい、もちろん調べられます。

HIKAKINも所属する国内最大のYouTuber事務所UUUMに対して、広告・マーケティング事業を手がけるフリークアウト・ホールディングスが株式公開買い付け(TOB)を実施していることが話題に出ましたので、ここではUUUM株式会社のIRライブラリーを見てみましょう。
「決算短信」を見ると、売上高、営業利益、総資産がわかりますので、ぜひ計算してみてください。

「決算説明資料」は見やすくて、今回の復習にピッタリですよ!


第3回(9月4日20:00-21:00)のテーマは、「M&Aの金額の決め方、現在価値の考え方(DCF)とCompsの考え方」を予定しています。

M&Aとは企業の合併・買収のことですが、いったいどのように企業に値段を付けるのでしょうか? その方法として、企業の現在価値に着目したDCF法と、Comps(類似会社比較法)を見ていきます。

申込みは、メール( info@thinkers.jp )、Facebook( @jp.thinkers )のメッセージ、X(旧Twitter)( @jp_thinkers )のDM、いずれでもOKです。

参加費は無料、事前に本を読んでおく必要はありませんので、お気軽にご参加ください。


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